まちづくりのひろば

子どもたちの未来のために

協働コーディネーター養成講座 〜北村隆幸さん

四日市市市民協働安全課主催「協働コーディネーター養成講座」の第1回「つなげるとどうなる?」が「せき・まちづくりNPOぶうめらん」の北村隆幸さん講師により、10月17日(火)の夜、なやプラザで開催されました。北村さんは地元の岐阜県関市を拠点に数多くの協働事業を手掛けられてきました。今回は協働の事例を主にお話いただきました。

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まず協働の土台は①何の課題を解決するのか、②そのために誰と連携することが解決につながるのか、をしっかり設定すべきとのことです。私たちは良いと思って実施しているいろいろな事業を行なっていますが、課題が曖昧になっていることがとても多いのです。

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ぶうめらんは「若者が関に戻り、住み続けられるまちへ」をミッションとして、  “つながり”を商品に、“つながり”製造部として「フリーマガジン」の発行(21,000部)を核に事業を展開しています。フリーマガジンは事業を推進する “エンジン”として機能しているようです。

 

協働の事例

課題:子どもを持つ親世代が、関市の良さを子どもに伝えられていない。

連携先:関PTA連合会 〜小中学校全員にフリーマガジン(隔月刊)を配布、「もっと郷土教育を」

※連携先のメリット:連合会としての情報発信に困っていた。PTA広報誌分(2.5ページ)を確保。

経営の視点:塾(広告)からの収益が増えた。

課題:関の高校生は、関の企業をわずか0.2%しか知らない

連携先:関、美濃の高校 〜地元企業を高校生が取材・編集し、高校版フリーマガジン(季刊)で紹介。市内の高校生全員に配布。

さらに、情報提供から一歩踏み込み、高校生と関の企業が出会う場作り(インターシップ)を開催。

※連携先のメリット:部活(写真部、文芸部など)の発表の場として活用できる。

経営の視点:印刷費は企業協賛でまかなえている。

課題:昔は賑わっていたお寺が閑散としている

連携先:お寺 〜「多世代憩いの広場てらっこ」地域の宝であるお寺で、ばぁばとママがスタッフになり子育て支援(常時3人体制)を行う。クリスマスやハロウィンの会場、茶店の運営、落語会の開催など。

※連携先のメリット:お寺を憩いの場として活用していただける。

経営の視点:補助金頼みから脱却が困難、中断中。

 

他に「地域企業のCSRサポート」として、ボランティア団体への資金援助(青パトの維持・運営費援助)のプロジェクトや、セミナー・ワークショップの運営事例を紹介されました。

内容的に私が一番面白そうだと思ったコミュニティブックカフェ「ブック・エカ」は赤字になり閉店を検討されているそうです。講師は「本の訴求力のなさ」や「目的のあいまいさ」を原因としてあげられました。

 

協働のポイント

①「課題解決」のために!

②自分の押し付けはNG、相手のメリットは?

③根回しに時間をかける

 

“つなぐ”名人の北村さんをしても「課題があいまいなもの」は取り繕うことはできません。それが結局収益の減少というかたちになるのだと思います。また私たちは「自分の押し付け」というのもやってしまいがちです。事業はステークホルダーの皆さんと「地域円卓会議」でじっくり進めて行くべきなのでしょう。

 

(おわり)