まちづくりのひろば

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相続登記を自分でやってみた

空き家問題、そして土地が有効活用されない原因は、相続登記がされないで放置されていることだと思っています。相続登記には司法書士に頼めば単純なものでも5〜6万円は手数料が必要なようです。それなら自分でやってみるか、ということで参考にしたのがこの本。

自分でできる相続登記

自分でできる相続登記

 

 私の場合、父親が亡くなった後、姉と懇意の司法書士に相続登記の相談に行った時、相続税は発生しない額なので、登記は後でもよいのではとのことだったので数年間そのままになっていました。

相続登記の直接のきっかけは不動産の固定資産税の請求は父親の名前でやって来るので母親が払っていましたが、最近は年金暮らしのため支払いに不満を漏らすようになったことです。

 

相続登記は、「負動産の所有者の名義を変更する手続き」なので、名義変更によって新たに所有者となる相続人が申請人となって行います。

①不動産の確定

不動産のうち何が登記されているのかも知らなかったので、それを知ることが第一歩。先ずは不動産の名義人に固定資産税の請求時に送られて来る課税資産明細書を確認します。非課税の不動産の漏れ確認、および登録免許税の計算のために最新年度の固定資産の価格が必要となりますので、資産税を扱う役所で「固定資産評価証明書」などを取得します。

私の住んでいる四日市市の場合、登記に用いる場合は「家屋評価通知書」「土地評価通知書」を市民税課にて無料で発行してくれます。これを見ると登記してある不動産と、してない不動産がわかります。登記していない小さな倉庫なども評価額がついていて(!)しっかり課税されているのがわかります。

 ■訪問回数:市役所1回

 

②相続人の確定と遺産分割協議

相続人は母と姉と私の3人。姉には今回の登記の趣旨を説明し、了承を得ました。

 

③必要書類の収集

今回の場合は父(被相続人)の住民票・戸籍の附票の写し、戸籍謄本(除籍謄本、改製腹戸籍謄本など)など相続登記に必要な書類を全て揃えます。また相続人の印鑑証明書・戸籍謄本(抄本)が必要なので、印鑑登録カード、委任状(役所で様式をもらう)もあらかじめ用意しておきます。

 ■訪問回数:姉の家1回、地区市民センター2回

 ■費用:4,600円(戸籍関係謄本・印鑑証明書など)

 

④書類作成

申請書・遺産分割協議書・相続関係説明図を作成します。先に取得した「土地評価通知書」など取得した書類を見ながら住所や評価額など間違いのないよう入力します。作成自体は本の例を参考にすれば簡単なものです。相続人に実印を押してもらえば完成です。

 

⑤登記申請書の提出

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 先ず実印を押す前に書類を確認してもらおうと法務局を訪問しました。窓口(上の写真③)にて若いおにいさん係員に見てくれるように頼むと、ちゃんとチェックするには時間がかかる(その場でチェックは無理)、事前相談の予約をしたらどうかと薦められました。でも予約は早くても半月後となるとのことで、面倒なので書類を整え、直ぐに提出することとしました。

書類に実印を押してもらい、本を参考に書類の順番を整え法務局を訪問。印紙売場(上の写真②)で必要分の印紙を買い、申請書の2頁目に貼り付け、窓口(上の写真③)に提出。係員から受付番号と完了予定日の紙をもらいます。さらに修正があった場合のつながりやすい連絡先(携帯番号など)を聞かれます。

数日後、携帯電話で担当から不足書類の連絡がありました。地区市民センターなどで不足書類を取得し、追加分を担当者に提出。書類が十分に揃ったようなので登記完了予定日以降に完了書類を取りにくるように指示を受けました。

■訪問回数:

 法務局3回、地区市民センター1回(不足書類があったため)、姉の家1回

■費用:

 戸籍関係不足書類:400円

 印紙代:ウン万円 ←登録免許税 課税価格×0.4%(※)

  ※100円未満切捨て。算出した金額が1000円未満の時は1000円

 

⑥完了書類の取得

ついに完了書類を取得します!

完了書類を受け取るには、申請者の実印と身分証明書、受付番号が必要。今回は姉の分も取得するのであらかじめ委任状をもらっておきました。

完了書類の内訳は「登記完了書」と「登記識別情報通知書」で、戸籍謄本などの原本還付書類も還付されます。なお「登記識別情報通知書」とは登記名義人を識別するための情報で、不動産ごと、申請人ごとに1通ずつ発行されるそうです。

完了書類をもらってみて、私は「権利書!」みたいなものを予想していましたが、いたって事務的な書類で、あまりありがたみはありませんでした。

 

相続登記を自分でしてみた感想

申請書作成作業は約2週間、法務局内部で約1週間、計3週間で相続登記が完了しました。

今回の場合、相続登記としては簡単な部類なので、上記司法書士が書いた本を参考にすれば書類作成自体はなんでもない作業でした。しかし書類作成作業には順番があって役所に何度も足を運ぶ必要があるので、平日になかなか休みが取れないと自分でやるのは非効率かなと思いました。

平日に休日がある方、時間がかかっても登記費用を節約したい方には「自分で相続登記」はおすすめです。

 

(おわり)