まちづくりのひろば

子どもたちの未来のために

富田の宝「蝙蝠堂民俗玩具」を見学

三重県指定有形民俗文化財の「蝙蝠堂民俗玩具」を見学しました。現在の公開は希望者のみですが、同行していただいていた方によると、70年くらい前は小学校から見学に来ていたそうです。

 

「蝙蝠堂民俗玩具」は江戸時代から続いた酒造りの蔵元「酒吉」の屋敷の中にあります。2代目伊藤吉兵衛が全国各地の得意先に出向いた時に、子どものお土産にと民俗玩具を買い求めたのが収集の始まりで、3代目吉兵衛(〜昭和36年)まで2代約35年に渡って集められたコレクションです。

 

写真撮影は遠慮しましたが、膨大なコレクションです。

文化財指定当時は5万点の玩具が「蝙蝠堂(こうもりどう)」「於茂千也函(おもちゃばこ)」の2棟の建物に分かれて展示されていましたが、伊勢湾台風(昭和34年)で水に浸かり、2万点が破損しました。後に「蝙蝠堂」の建物も撤去され、今は「於茂千也函」の中に全て収納されています。屋敷の庭には破損した玩具を埋めた玩具塚がありました。

 

大きなお面に、おびただしい数の「こけし」、12干支の素朴な玩具が目を引きます。くじら船に石取祭車もあります。一つ一つに特徴があり、素晴らしいものです。案内をしていただいた方によると 、いずれも木や紙、竹、土で出来たもので、紙に書いた凧の絵の色は年々褪せていきますし、木には虫がついて穴が開いてしまうことが悩みだそうです。県の文化財なので多少の防虫処理などは行われているそうですが、根本的な展示環境の改善は行われず、コレクションの傷みは進んでいます。

 

貴重なものもたくさんあると思いますので県や市の博物館で管理の補助をしていただければと思いました。

 

参考URL:

http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/bunkazai/da/daItemDetail?mngnum=730661&pageCur=2&hiddenSpetype_id=07

参考図書:郷土の文化遺産四日市の指定文化財と地域の祭りー(四日市市教育委員会1981.3)

 

(おわり)