まちづくりのひろば

子どもたちの未来のために

ブタの蚊遣り器と萬古焼き

 昨夜は蚊が出たので電気蚊取り器を探しました。あいにく咋夏使っていたものは液体がカラだったので、渦巻きの線香を出してきました。私が子どもの頃、蚊取り器といえば渦巻き状の線香でした。

 

蚊取り線香は明治19年にアメリカから除虫菊が日本に伝わり、棒状のものが作られましたが約20cmの棒状なので40分で燃え尽きたそうです。そこで明治28年(1895)「金鳥」初代社長・上山英一郎の夫人「ゆき」の発案で、長時間燃え続けるよう渦巻き状の蚊取り線香が発明されたとのことです。渦巻きは真っ直ぐにすると約75cmあり、人の寝ている時間にあわせて約7時間燃え続けます。(大日本除虫菊株式会社ホームページ http://www.kincho.co.jp より)

 

蚊帳は明治以前からあり、寝具付近への蚊の侵入を防いでいました。

蚊遣りは江戸時代からあったそうですが、枯葉やおがくずなどを中に入れて燻していたようです。内藤新宿ではブタ型の蚊遣りが発掘されています。

 

現在のブタの蚊遣り器は明治以降ですが、その元祖は常滑焼きとも萬古焼きとも言われています。高い耐熱性を有する四日市萬古焼きは蚊遣り器にもってこいだったのでしょう。

ブタの蚊遣りは夏の風物詩。渦巻きの蚊取り線香をセットする手間はかかりますが、電気蚊取り器にはない風情があります。

この夏は萬古焼きの蚊遣り器を試してみてはいかがでしょうか。

(おわり)