地域循環型社会の形成① 〜CLT工法の可能性
停滞する国内の林業・木材加工業の復興とエネルギー確保を地域内で結びつけるものとしてCLT工法が注目されています。
CLT工法とは
CLTとは、Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略で、欧州で開発された工法。CLTは板の層を各層で互いに直交するように積層接着した厚型パネルのことを呼ぶ。(CLT建築推進協議会HP:http://www.clt-kenchiku.org/より)
地域循環のイメージは下記で取り上げられています。
里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)
- 作者: 藻谷浩介,NHK広島取材班
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具体的には
①木材の製材加工→ ②副産物の木くずをペレット化→ ③ペレットをバイオマス発電、各家庭の燃料として活用
の循環により、地域内で建築材の生産と共にエネルギーの確保までまかなうオーストリアの例が紹介されています。オーストリアではこの木質エネルギーの活用により、家庭内で使用するエネルギーの費用をボイラーなどの設備費を含め、従来と同等のコストまで下げることに成功したとのこと。
CLT材への加工は、よりたくさんの木くず生み出し、CLT材の普及が進めばペレットが安価で生産でき、またエネルギーも安く手に入れることができます。CLT工法はオーストリアはもちろんイタリアやイギリス、スウェーデン、カナダでも定着しつつあります。
建築材としてのCLT工法の特徴は
①木材のパネルを組み合せる壁式工法なので施工が容易で工期が短い。
②部材強度が高く、中層のビル建設も可能。
③木質なのでコンクリートよりは断熱性に優れる。(断熱材は別途必要)
日本での普及のポイントは
①日本で建築構造材として使用するための、CLT工法についての法令・基準の整備。
②国産材で良質のCLT材が生産できるか。
③PCパネル工法などと、同等以下の価格で導入できるか。
④輸入材(欧州材)より国産のCLT材を優先して使う仕組みづくり。(関税・法律・補助金など)
関連記事
・ウッドファスト ニュース http://www.woodfast.net/14.1-CLT/14.1-CLT.html
・木造ビルを建てて喜ぶのは誰だろう http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20131206-00030416/
(おわり)